noyonoyo’s blog

老人ホームで感じたこと、気が付いたこと

坂道にて

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先日、高度経済成長期に造成された住宅街に行きました。

 

都会のドーナツ化現象の中、山を崩して造成された住宅地です。新しい駅ができ、スーパーや学校が出来、約50年前に誕生した町です。

 

当時は若いお父さんやお母さん、子どもが何人か。そんな家庭がいっぱいいて、活気のある町だったでしょう。

 

あれから50年。当然、当時若かったママやパパは高齢者となり、子どもは、たぶん結婚して別なところに新居を構え、町は高齢化しています。

 

昔、ベビーカー。今はシルバーカーと車いす

 

しかも山を崩して造成した町なので、坂が多く、ちょっと出かけるのも坂を下って上って。高齢者にはつらい街になりました。

 

バスに乗っていた時、老老介護のご夫婦らしき方がバスに乗ってこられました。今はバスも車いす対応で利用しやすくなっていますので、利用される方もめずらしくはありません。

 

ただ…。高齢の男性が奥様らしき方が乗った車いすを押しておられたのですが。気になったのは、バスを降りてからのことです。

 

町は坂道ばかりです。老老介護になった人たちにとって、この坂道は本当につらいだろうに。

 

しかも、緩い坂ばかりではありません。私がこれから向かおうとしている場所も、バスを降りて10メートルほど緩い坂をくだり、大通りを渡ったら緩い上り坂を50メートルほど、最後に50メートルほどきつい坂を上ります。

 

もしこのきつい坂を車いすを押して上がる自信がありません。たとえ50メートルでも無理です。それほどきつい坂なんです。緩い坂なら50メートルぐらいは平気ですが。

 

まだ、ぎり高齢者ではない私にしてそう思うのです。

 

これからますますこういった事例に行き当たるのだろうなぁと思うと寒くなります。

 

引っ越すにしても、長年暮らしてきた町を離れるのは高齢者になればなるほど難しくなります。

 

街を作るとき、高齢者の生活も考えて作らなかったんだろうな。これから街を作るときはそこのところも考えて作ってほしいと節に願いました。

 

そんなことを考えながら車いすご夫婦より先にバスを降りたのです。