老々介護という言葉はよく聞きます。
街中でも老人が乗った車いすを老人が押しているなんて光景は珍しくありません。
ある意味で仲の良いご夫婦でほほえましく感じなくもないです。
でも考えてみてください。
家に帰っても、老人のみの世帯だと、いかに仲が良くても話も弾まないこともあるだろうし、介護者は気が休まる時がありません。
ましてや介護者も老齢の体に鞭打って頑張っておられるのです。
核家族化が進んだ現代は、結婚して子どもたちが独立した後は、必然的に年老いた夫婦が家庭に残ることになります。
そうすると配偶者のどちらかが倒れると、一方の配偶者が介護者となります。
子どもたちも独立してそれぞれに家庭を持つと、生活の基盤がそちらになるため、気にはなっても手伝うことがままならないことになります。
ましてやそこに新たに子どもが生まれると経済的にもぎりぎりになるため、自分の家庭を維持するために働いて養わないといけない。
今のように、景気がよいという実感がない一般家庭においては、夫婦共働きで、子どもたちを保育園に預けたり、学童保育を利用したり…。子どもがさらに大きくなると教育費が負担になってきてもっと働かないといけない。
親の介護どころではなくなって、いきおい、老夫婦のみの生活をせざるを得ない。
どこかできりをつけたいが、いつ? どこで? どのようにして?
今ある制度をできるだけ利用しましょう。恥ずかしがったり、隠したりせず。
ケアマネージャーや地域の福祉課、地域包括センターや、社会福祉協議会でもどこでもいいから窮状を訴えましょう。
いくつになっても人間らしく生きる権利はあるのですから。