家族ってなんだろう
考えさせられるニュースが毎日報道されます。
育児のネグレストや子どもへの虐待、同居家族の引きこもり、同居親への虐待…
どれも、ほん身近でいつでも起こりうる状況であるだけに同情したり、恐怖を覚えたり、様々な感情が交錯します。
介護現場でもよく目にすることです。
あるとき、地域の厚生委員から連絡があり、老人ホームに入居した方のお話です。
おとなしそうなおじいさんでした。介助すれば少し立位が取れる。手すりを使って1、2歩歩ける、座位は問題なし。車いす使用の方です。ご自分ではトイレにいけないのでおむつを使用しておられました。
入居してこられすぐにおむつ交換と、更衣介助を行いましたが、体を見てびっくり。足の脛や腕に白い丸い斑点がいくつもあります。ご本人に、どうされました?と伺うも、何でもないと口をつぐんでしまわれます。
あとで担当ケアマネージャーに聞いたところ、同居家族からの虐待があり、白い斑点はたばこの火を押し付けられたためにできたやけど跡だとのことでした。
子どもでもそうですが、家族から虐待を受けていても本人はそれを外部に漏らしません。世話になっているからー…
自分の親なのによくそんなことができるなという声が一般的ですが、家族もまた介護で疲弊している。そんな現場は、実はよく見る光景でもあります。
お亡くなりになって、空になったベッドを見て、家族の方はどんな思いでおられるのだろう。せいせいしたのでしょうか。それとも悔悟の念を持っておられるのでしょうか。
どうすればお互いを敬いつつ、優しく接することができるようになるのか。せめて介護現場ではそのように接していきたいものです。