noyonoyo’s blog

老人ホームで感じたこと、気が付いたこと

せっかくヘルパーになったのに…

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ヘルパーの研修中は、ほとんどだれもがよい介護を目指して勉強します。

でもいざ現場に出てみると。

 

実際の現場では、はっきり言ってきれいな仕事ではありません。

尿失禁で全更衣。便失禁でベッドのシーツまで汚染…、トイレ内も弄便でぐちゃぐちゃ…、なんてこともざらにあります。わかっていても心が折れてしまいそうになることもしょっちゅうです。

 

でも「ごめんなさいね」と利用者の方から言われ、処理のあとは「ありがとう」と言ってもらえると本当にうれしいものです。

その言葉がほしくて仕事をしているといっても過言ではありません。

 

「あなたのおかげで気持ち良く生活できる。いつもありがとう」。なんて声をかけていただくとヘルパーになってよかったと思います。

 

そういった声をいただくために、利用者の気持ちを考えて、よく話を聞いて仕事をしたいものです。もちろん自分も褒めてあげましょう。

せっかくヘルパーになったのだから。

 

今日もよくやった。がんばれ私。『ありがとう』のために明日もやるぞっ!

圧迫骨折を防ぐために

腰椎骨折って多いですね

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腰椎圧迫骨折を繰り返す老人の動きをよく見てみましょう。

椅子に座るとき、直角というか、体を立てたまま座ろうとされますね。

 

そうするとドスンっとお尻が落ちるため、腰椎に衝撃がかかります。繰り返すとかなりな負担になりますよね。

 

そこで有能なヘルパーの登場です。

 

お辞儀の状態からお尻を後ろに突き出してゆっくり座るよう、声掛けをします。

怖いのか、なかなかお辞儀ができません。

めげずに声をかけましょう。介護の基本は「待つ」ことでもあります。

 

ゆっくりとうまく座れたらヘルパーも一緒に喜び、自分の介護にもハナマルを付けましょう。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クレームを減らすためにできること①

ヘルパーの仕事をしていると思わぬクレームに悩まされることがあります。

女性が同性ヘルパーの介助で入浴中、男性ヘルパーが通りかかり、間の悪いことに扉がきちんと閉まっていなかったために裸で脱衣室にいた女性と目が合ってしまった。後日その女性から思いつめた表情で悩みを打ち明けられました。「私はあの人(たまたま裸で脱衣室にいたところ目が合ってしまった男性ヘルパーのこと)からストーカー被害を受けているの」と…。

「はあっ?」思わず聞き返してしまいました。

その方の話では食堂や廊下でその人が私を待っていて親しげに話しかけてくると。ありえない!と思ってしまいますが、そこは傾聴して、今後こちらも気を付けるようにしますと申し上げました。

急きょ会議を開き、高齢ではあっても女性です。入浴中はプライバシーを考えて、扉がちゃんと閉まっているか必ず確認するように各ヘルパーに通達しました。

どんな場合もそうですが、入浴や下の世話をするときはできるだけ他の人の目に触れないようにするってことヘルパーの研修時に教わっているはずなのに、日々の仕事量の多さや慣れでヘルパー自身が無頓着になってしまっているんですね。再度、自分の仕事を見直してみましょう。

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クレームを減らすためにできること②

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利用者の方に声をかけるとき、上から目線になっていませんか?

世話をしてあげるのではなく、させてもらっているということを忘れずに。

ヘルパーの報酬は、介護保険で支払われます。利用者はお客様です。もちろん理不尽なことを要求されたり、罵声に近い言葉を発せられることもあります。そこはプロ意識を持ってうまく話をもっていく。これはもう日々の勉強と経験しかないような気がします。

一つ具体的な話をしてみます。たとえばおむつ替えの時。尿量が多く、着衣まで汚染したらもちろん、着替えますよね。そうした時もあわてずに、時間がかかってもどの服がいいか話しながらしましょう。服を一緒に選ばなかっただけで「勝手に着させられた」という思いを心の中に植え付けてしまい、なにかにつけて「あの人は私の気持ちをわかってくれない」という思いを残してしまうことになります。

高齢者の方々はほとんどがヘルパーより年上です。プライドもあります。言葉は悪いですが、そこをくすぐって笑顔で切り抜けてください。

そしてうまく切り抜けられたときは自分をほめることを忘れずに。よくやった!と。

認知症の方って…

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認知症と一言にいってもさまざまです。

「息子がね、私の年金を全部取ってしまって、お金がないのよ」

よく聞く話です。「ここの家賃も食事のお金もみんな息子さんが払ってくれているのですよ」というと「あら、そうなの。でも用事があるから息子に電話したいの。どうやったら電話できるの?」と息子様から渡されている携帯を出される。昼間だと、今の時間は仕事中だからあとで電話しましょうねと応えます。夜だと携帯の使用方法をお教えしますが、まず理解していただけません。そうこうしているうちに「私の息子が私の年金を全部取ってしまって…」「ここの家賃も食費も息子様が…」「電話したいの」電話のかけ方をお教えする。と、また「私の息子が年金を…」どうどう巡り。いったいどうすればこの状態から抜け出せるのとヘルパーも暗澹たる気持ちになります。

私はこういったときは「ごめんなさい。今緊急の呼び出しがあったからあとでゆっくりお話を聞きませすね。お部屋で待っていてください」と言ってその場を離れました。それしかないような気がしますね。ただその時もまずは話をよく聞いて、できるだけ丁寧に説明をする。それを何度も繰り返したのちになりますが…。

もちろんあとで部屋に伺っても「なあに?」といわれるのがオチなので伺うことはありませんが。

しんどいですね。ほんとうにヘルパーの仕事って忍耐が必要です。がんばりましょうね。

パーキンソンの方に歩いてもらおう

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介護の現場にいるとパーキンソン症状の方もおられますよね。

診断や症状の軽減などは医療の範囲ですが、介護現場では介助で歩いてもらうことになります。

パーキンソン症状がある方は、とにかく足がなかなか前に進みません。足が出るまで待つことにも疲れてしまいます。とかくヘルパーはいらいらしがちですが、ご本人はもっと焦っておられることを忘れないで。いったん歩き出すとスムーズに足が動きますよね。さてどうやって歩いてもらうか…。

床に線を描いて、階段状に見えるようにすると歩けるとか。といって簡単に線などかけませんよね。さてどうする。いろいろ試してみました。

その方はシルバーカーを使用しておられました。いつものようになかなか足が前に進みません。何とかリズムをとって「1、2、1、2…」というものの、結局ご本人が焦るばかりでうまくいきません。「左の膝を上にあげてみて」というと膝が上がりました。それに合わせてシルバーカーを前に押してみると体が前のめりになりますね。すると右足が出たんです!そのままリズムをとって歩いてみると、なんとびっくり。歩けたんですねぇ。私ってえらい! もちろん自分を思いっきり褒めました。

 

食事介助のこと その1

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老人ホームでは食事時、介助が必要な方も多々おられます。でもその方はほんとうに介助が必要なの?と思っても、食事時間内に何とか食べてもらいたい一心で介助に入ってしまうことが多いのも事実ですよね。こぼすし…、遅いし…。厨房から片付けができないから早く済ませてほしいといった声があったりして。

食事は基本的にご自分で、とは思ってもなかなかできないこともあります。ヘルパーだって本当は介助なしで食事をしていただきたいのだけれど、そういったことでつい手が出てしまう。

どうしたらいいんでしょうかね。

もちろん家族の方からは、できるだけ自分でできることはさせてくださいと言われます。ケアマネージャーも同じようにできるだけ自分で食事をとってもらってくださいと。わかってはいるんですが。日々、ジレンマに陥っているのが現状ではないかと感じています。

ヘルパー会議でもそういった話が出ます。結論は結、「できるだけ自分で…」となります。でも現場ではそうも言ってられない。

ヘルパーだって早く食事を済ませて次の仕事に移りたいって気持ちがあります。食事で一時間を超えることもざらですからね。スプーンに山盛り入れて、口に運んだり、飲み込みを確認せず、無理に押し込むといったことも目にしたことがあります。事故の元です。でも現場では、わかっていても見て見ぬふりになっていることもあります。事故になってなければいいやと。考えてみれば怖いことですよ。でもそうならざるを得ない現場なんだということでもあります。

なんかいい方法はないかしら。