認知症を発症した高齢者と同居家族との関係について考えてみたいと思います。
一般的に高齢者の認知症は短期記憶に問題がある場合がほとんどです。
もちろんそれ以外にも、原因によってはさまざまな症状があります。
ここでは原因や、その症状などの医学的なことでなく、介護者からの話として聞いてください。
先日、認知症を発症した親と同居している家族の方から相談を受けました。まだそれほど認知が進んでいないようですが、それでも同居家族からすると大きな負担がのしかかってきています。
何度も同じことを聞かれる。「今言ったばっかりでしょ!」と声を荒げてしまう。「食事をまだとっていないなどと言われると、食べたでしょっ!」と。
「家族だからこそ声が大きくなるし、腹も立つのでしょう。私たちヘルパーは仕事と割り切っているから優しく声掛けができるのですよ」と申し上げました。
そう、家族だから、元気でしっかりしていた親の記憶があり、発症した認知症状を受け入れない。それに仕事として接する私たちヘルパーと違い、24時間気が抜けない家族のこれからのことを思うと暗澹たる思いがあります。
まず、話を聞きましょう。目を見て。正面から向き合ってみましょう。それだけでも安心されますよとお答えしました。
後日、その家族様から「この間はありがとう。少し優しくなれたような気がします」とおっしゃっていただきました。
ご本人の話を聞く以上に、同居家族のお話もよく聞いて、少しでも家族の方に寄り添って力になれたら、手助けが出来たらと節に思います。
症状が進めば、その都度考えていきましょう。隠さずに、恥ずかしがらずに相談してください。一緒に考えていきましょう。